上級マクロ経済学

第1回 イントロダクションとColab

Author

荻巣嘉高

1 イントロダクション

Hello World

ようこそ、プログラムの世界へ。

授業概要

  • マクロ経済学で扱うデータについて概観する。
  • pythonを用いて実際にマクロ経済データを分析することを行う。
  • 回帰分析をもとに、生産性の推定やマクロデータの予測などを取り扱う。
  • 数値計算の基礎についても解説を行う。

到達目標

  • マクロ経済データを用いた分析を行うことができる。
  • 基本的な統計分析、数値解析を行うことができるプログラミングスキルを身につける。

成績評価

  • 中間レポート(30%)
    • 講義内で出題するレポート
    • おそらく、3〜5回程度。
    • 進度、理解度を見て考慮します。
  • 期末レポート(70%)
    • 何かしらの分析を行ってもらいます。
    • 回帰分析 or 数値計算を含むレポートを作成してもらいます。

講義予定

  1. イントロダクションとColab
  2. マクロ経済学のデータ
  3. pytonの導入と基礎
  4. pythonによる条件文と繰り返し処理
  5. Pythonライブラリの利用
  6. Pandas
  7. データの加工
  1. 回帰分析
  2. Pythonによる回帰分析の実装
  3. 成長会計
  4. 時系列データと系列相関
  5. ARモデル
  6. 非定常過程と予測
  7. 数値計算の基礎
  8. マクロモデルと数値計算

テキスト

  • 教科書は指定しません。
  • 配布資料をもとに講義を進めます。
  • 参考資料はシラバスにあげているものを参照してください。

プログラムの例

次のグラフを作成。 y = x^3

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt



x = np.arange(-3,3) # -3以上3未満、間隔1のリストを作成
y = x**3 # yの計算
fig = plt.figure() # figという図用の画面を作る
ax = fig.add_subplot(111) # fig上にプロット枠を作り、axと名付ける
ax.plot(x, y, marker="*") # ax上にプロットを作成する
fig.show() # figを表示する。

2025-09-13T12:53:54.455648 image/svg+xml Matplotlib v3.9.2, https://matplotlib.org/

前提条件1

  • 数学
    • 連立方程式、微分、確率は使います。
  • 統計学
    • 中級統計学の内容は知っているものとして進みます。
    • 中級統計学の単位を習得していなくても構いませんが、キャッチアップは各自でやってください。
    • 推測統計の基本的なお話がわかっていればOKです。
      • 回帰分析は一応講義内でやります。
  • これらに不安のある人は、講義ページの補足資料を読みながら講義を受けるのをお勧めします。

前提条件2

  • プログラム関連
    • pythonを用いたプログラミングを行います。
      • プログラムの基本的な書き方は講義内でやるので、プログラミングの知識がなくてもOKです。
    • パソコン必携です。毎回持ってきてください。
      • Colabの場合スマホでもできますが、あまりお勧めしません。
  • 課題エフォート
    • おそらく、3週に1回程度でレポート課題が出ます。(全部合わせて中間レポート)

前提条件3

きついです。

  • 履修は計画的に。

評価基準(期末レポート)

  • 期末レポートの評価基準をお伝えしておきます。
    • 回帰分析や数値計算を用いた分析がされており、レポートとしての体裁が守られていれば、可(60〜69点)の粗点がつきます。
    • 良(70〜79点)から優(80〜89点)の粗点がつくレポートの例が欲しければ、インゼミの研究報告書が参考になると思います。ものによっては秀がつきます。学会のコモンルームで見ることができるかと思います。
    • 秀(90〜100点)の粗点が取れるレポートの例が欲しければ、経済学会の学生論集に掲載されている論文を参考にしてください。
    • 粗点に0.7を掛けて期末レポートの点数とします。

評価基準 (中間レポート)

  • 指示がきちんと守られているかどうかを評価します。
  • また、読み手にちゃんと伝わるようにレポートが作成されているかも見ています。
  • 10点満点で各レポートを評価し、実施回数\times 10点を30点に等ウエイトで圧縮して、中間レポートの点数とします。。

総合評価

期末レポート70点満点、中間レポート30点満点ですが

  • 期末粗点が優評価でも、中間レポートが全て未提出だと落ちます。

80\times 0.7 + 0 = 56 点

  • 講義資料は全てアップロードしてあるので、履修変更可能な期間までに必ず一度ざっと目を通し、モチベーションが保てるかどうかをチェックすること。

Python環境

Jupyter Notebookのファイルを用いて講義を進めます。

おすすめの使い方は2通り

  1. Google Colabを使います。
    • オンライン環境が必要ですが、あれこれインストールする必要がありません。
    • Googleアカウントを作っておいてください。
  2. Anacondaをインストールします。
    • Jupyter NotebookかJupyter Labで作業します。
    • オフライン環境で動きます。

Google Colab

Colabにアクセスして、「ノートブックを新規作成」を押すと、新しいファイルができる。

  • あとは基本ここで作業すれば良い。
  • ファイルはGoogle Drive上に保存されていく。

Anaconda 1

AnacondaのHPにアクセスして、右上の”Free Download”をクリック。

Anaconda 2

Distributionページの右側で、いずれかをチョイス。

  • “Get Started”をクリックしてサインアップする。
    • Anacondaのアカウントが作成される。
  • “Skip registration”をクリックする。
    • Anacondaのアカウントを作成せずにDLへ進む。

Anaconda 3

Distribution Installersで緑のボタンが適切なOSになっていることを確認してクリック。(写真はMacのケース)

Anaconda 4

これ以降は、インストーラに従ってインストールします。

  • ウェブなどを検索すると、インストール方法は山ほど出てきます。

  • インストールが完了したのちに、Anaconda Navigatorを立ち上げて、jupyter notebookの”Launch”ボタンを押せばJupyter Notebookが立ち上がります。

  • ただし、講義ではColabを使います。

まとめ

  • 単位を揃えたい人、頑張ってください。
    • 妥当なデータを使って、統計分析を行ったレポートが出てこれば、単位は出ます。
      • 回帰分析を使った分析をしたレポートが基準です。できるかどうかは皆さん自身で考えてください。
  • それなりの数学的な知識がある前提で進めていきます。
  • 今後はパソコン必須です。
  • 可能な人は、pythonを触ってみてください。今後使います。
    • Googleアカウントがあれば、Colaboratory。
      • 最も手軽に試せる。
    • パソコンに環境を構築するならAnacondaがお勧め。
  • フォローが必要な人は、随時荻巣にコンタクトを取っていただいて構いません。