概要

この講義では,経済分析で利用されている統計学の基本的な手法(記述統計の方法)を学習します。統計学は、現象を観測・調査して得られた数量的な記録(データ)から、その現象の全体像を明らかにするための手法を体系的に研究する学問です。統計学の分析手法を大別すると、「記述統計の方法」と「推測統計の方法」に分けることができます。記述統計の方法は、現象について得られたデータを整理して有用な情報を要約するための手法の集まりです。また、推測統計の方法は、現象の一部分を観測・調査して得られたデータから、その現象の全体像を推測するための体系的な手法です。授業では、これらのうち記述統計の方法を適用したデータ分析の基本を解説・演習していきます。(シラバスより引用)

コンテンツ
講義資料はMy Konanを通して配布します

講義における3つのキーポイント

データの記述

昨今では「データサイエンス」という言葉が非常に流行っていますが、小難しい手法を使ったり、高度なことをやることこそがデータサイエンス、というわけではありません。データを集め、まとめ、観察し、考察するという一連の手続きを丁寧に行うことがデータサイエンスの基本です。この講義では、データがどのような特性を持っているかを要約する方法を学びます。

相関

2つの変数について、「一方が高い時にはもう一方も高い」とか、「一方が高い時にはもう一方は低い」というような関係性を、相関といいます。これらの関係がより強固に観測される場合は相関が強いとか言ったりします。講義ではこの相関の強さを図る相関係数の算出方法を学びましょう。また、相関は因果関係を示すわけではない、という点を整理して理解しましょう。例えば、カレーの売り上げと株価には相関があるのですが、「カレーが売れれば株価が上がる」わけでも、「株価が上がればカレーが売れる」わけでもないわけです(柴本, 2017)。

回帰分析

お金を1万円もらえたら、皆さんはいくら消費に使いますか?平均的には、お金をもらったらそのうちいくらかを使うことになりそうです。それでは、所得1万円が増えたときに、平均的には消費がどれほど増えるのでしょうか?このような2つの変数に何かしらの関係性があると考えられるとき、一方が増えた時、もう一方が平均的にどれほど増えるのか(あるいは減るのか)を算出する方法の一つが回帰分析です。講義では実際に手を動かして回帰分析を行うことで、その算出方法と結果の解釈の仕方を身につけることを目指します。


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